バンド活動前夜

バンド活動前夜

バンド活動前夜

エレクトリックへの移行

 

ギターを始めた頃は100%アコースティックだったのですが、段々とエレクトリックの方へ重心が向いてきたのが1996年頃からでした。それまで部屋の中でエレキギターを弾くことはあっても、ライブや宅録など外に向かっての活動はなかったのです。
しかし子供がキャッチボールばかりでは飽きて、やがて草野球をしたくなるように、僕も人前での演奏を意識し出すようになりました。ただ当時はギターのテクニックに自信がなかった事もあって、内に籠ることが多かったように思います。これが徐々に熱量が向いてきた・・・そんな頃の話です。

ヤマハの12インチスピーカー2発という、自分としては大きすぎるギターアンプです。100Wの出力を誇っていましたが、当然こんな大きなアンプで部屋の中で鳴らすことなどできるはずもなく、完全にオーバースペックでした。それでもディストーションとアンプの間にグラフィックイコライザーを入れて、ボリュームをあえて下げることで、アッテネーターみたいな感じに使っていました。なかなか思い入れが強く、後年スピーカーをピーヴィーの物に交換したり、アンプ回路を抜いてスピーカーキャビネットとして長い間使っていました。

 


今では名機と名高いマーシャル純正のディストーション「シュレッドマスター」です。何気に楽器屋で10000円程で買いました。まさかその10数年後に高値で取引されるとは思ってもいませんでした。これも1996年頃に手に入れて、数年使っていました。たしか知人に譲った記憶があります。音は音量が小さくて、ちょっと物足りない印象がありました。それでも音質はすごく良くて、当時まだ使っていたシャーベルのアンプとは比較にならない音の良さがあったと思います。

 

 

「グラフィックイコライザー GE-7」です。前出のヤマハのアンプと組み合わせて音量を下げるのに使っていましたが、これで「シュレッドマスター」をブーストすると中音域が程よく歪んで、ものすごくいい音になりました。・・・が、当時はその音の良さに気付かず、どこかに売ってしまいました。これも使い勝手がいいので、いつか買い戻そうかなと思ってます。

 

 

フェンダージャパンが発売していた「SV-20」というアンプです。8インチスピーカー2発という自宅練習にはもってこいの大きさでした。プリアンプに真空管を搭載していて、スプリングリバーブもついているというアンプでした。ただ弱点があって、インプット端子のナットがすぐ緩むのと、そのナットに当たるプラグが樹脂製で、ネジ穴がバカになってしまうというものでした。つまり何度も何度もナットを締め直せねばならず、それに嫌気がさしました。オービルSGを売ったドラムさんに安価で売った記憶があります。今でもハードオフのジャンクコーナーで見かけますが、大概ネジ穴がバカになってて、フェンダーももうちょっと工夫すればよかったのにと思います。

 

 

トーカイのフェイザー「Z-Ⅱ」です。この頃になると機材の知識もついてきて、ジミヘンドリックスが「ユニヴァイブ」というエフェクターを使っている、という事で、一度それに近いものを買おうじゃないかと手にいれたのが、このフェイザーでした。ただどちらかというとユニヴァイブよりもファンキーにかかるイメージで、使い勝手がないという事で、とっとと売ってしまいました。今だったらユニヴァイブ風に使うことも可能だと思います。

ストリートライブ

年代は前後するのですが、1998年頃に「ゆず」や「コブクロ」などのストリートミュージシャンが続々とデビューしていった時期でした。ちょうどその頃僕もオリジナル曲を作るようになってまして、10曲作ったら路上に出てやろうと思っていました。
で、目標の10曲が出来上がっていざ駅前へ!・・・と言っても海の物とも山の物ともわからん若造の歌などには誰も振り向かなかったです。今だったらそれが当たり前で、もっと違う戦略を考えますが、当時はその発想はなく、単に作品と腕のなさ、何よりも華がないという事が原因だと思っていました。そんな頃に横浜で買ったのが、ヤマハのLL-6というアコースティックギターでした。

ヤマハの「LL-6」です。当時は自分のホームページを持っていて、それのURLを書いたりして、涙ぐましい努力の跡がありました。横浜から帰郷してからも、主に金山駅の広場でよく歌いに行きました。ネックも強く、弾きやすいギターだったと思います。エレアコ化したくて、マグネティックピックアップ(ディーンマークレー、ビルローレンス)を後付けしたりしてました。

最高の相棒

時は2001年、ギターを弾き始めて12年経ちまして、それを記念して何か一生もののギターを買いたいと思いました。ちょうどその時、新宿に楽器屋さんが開店するという情報を耳にしまして、その時
目玉商品が「ギブソン ハミングバード」というアコースティックギターの中でも人気の高いギターが13万円という破格の値段で売り出されることを知りました。
これこそまさに一生もの!
ひょっとしたら並ばないと買えないんじゃないかと思い、夜通し車を運転し、その楽器屋まで行きました。朝の7時に到着したのですが、誰も並んでなくて、やや拍子抜けしましたが、店員が来るよりも早く到着したのでした。
「すぐ売ってくれ!」と頼みましたが「開店時間まで待って」と断られ、結局開店時間に並んでいたのは僕ひとりでした。
こうしてハミングバードを買うことが出来たのです。中古でしたが、見た目は綺麗で、何よりボディーが大きいので良く鳴る、素敵なギターです。
買ってから20年以上、良いことも悪いことも散々起きたのですが、そのすべてを見届けてきた最高の相棒であるギターだと思っています。

 


 

憧れの「ギブソン ハミングバード」です。それまで持っていたアコースティックギターのどれよりも乾いた迫力のある音が鳴ります。ただどういうわけか弾いている本人にはあまり音が聞こえなくて、正面で聞いている人、あるいはマイクで集音するには大音量で鳴る不思議なギターです。
元々はKヤイリのコンタクトピックアップが付いていたのですが、ハウリングがひどくて取り外し、様々なピックアップに交換しました。ヤマハLL-6でも使っていたマグネティックピックアップ。ブリッジ部分を削って取り付けたコンタクトピックアップ。
最終的にはEMGのプリアンプ付きマグネティックピックアップで落ち着いたのですが、どうしても気にいった音が鳴らなくて、今度こそはとリペアショップでフィッシュマンのピエゾピックアップに交換しました。僕はピックアップにギター本体の鳴りをそのまま伝えるという事よりも、ハウリングしなくていわゆるエレアコらしい音が好みですので、ピエゾピックアップでも全然抵抗はなかったですね。後述するタカミネのエレアコとは違って本体でチューニングはできないので、チューナーが必須です。ちなみに2弦の音がどうしても合いにくくて、曲の雰囲気でわずかに上げ下げしています。
ラッカー塗装がバキバキにヒビが入っていて見た目は必ずしも良くは無いですが、前述の通り思い入れがある、何物にも代えがたいギターのひとつです。ライブよりも作曲や録音に使うことが多いですが、いざという時にはステージに登場します。